皮膚へのアプローチで何が変わるのか。
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本来人間が持っている体を正常な状態にすることで、私生活、仕事、運動能力アップ、更には老化防止対策ができる。今回は最新の治療法のひとつで、医療やリハビリ、プロスポーツの現場でも幅広く使われるほど安全性も信頼性も高い「IASTM」をご紹介しよう。IASTMとはInstrument Assistant Soft Tissue Mobilizationの略だ。近年欧米にて軟部組織治療の主流のテクニックの一つとして、特別な金属製の器具を使用した軟部組織の治療のことであり、頑固な肩こり、痛みがなかなか取れない方、つっぱりや疲れ、だるさが取れない方、関節の拘縮、肉離れ、テニス肘、シンスプリント、腱鞘炎などに大変有効な治療法だ。
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中国伝統医学のカッサを近代的に発展させたものと言われており、カッサは筋骨格系の症状を治療するためには使用されなかったが、伝統的に皮膚を通じて悪い気を移動させるために用いられてきた。IASTMは筋骨格系の症状に対して非常に効果的とのことで注目を集めている。簡単に言うとツールを使った補助マッサージの一種、筋膜リリースの一種で皮下の筋膜の癒着をはがす治療方法だ。
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筋膜とは、体のすべてを覆っているネット状の繊維のことだ。骨や筋肉、内臓、神経、血管などを覆い、体の表層から深層まで体の隅々まで立体的に支えている。しかし、運動による同じ動きの繰り返しやケガ、また日常生活での姿勢の悪さ、動作の偏ったクセなどが重なると、筋膜は次第にゆがんだりねじれたりして、正常に働かなくなってしまう。
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IASTMは筋膜の癒着や可動域制限を見つけて、その部位にクリームを塗り、金属のプレートで皮膚の上から刺激を与え、筋・筋膜のリリース(血液・リンパの流れを促進)をすることで、筋肉の伸張性を増して関節の可動性を改善したり、靭帯や腱の強度を増したり、神経系に働きかけて痛みのコントロールをすることができる。
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自由になめらかに動くのが、本来の筋膜の姿だ。マッサージにいけば血液の循環が良くなり、瞬間的にはほぐれるが、翌日には戻ってしまうなど根本的な解決がされていないことが多い。これに対し、筋膜がほぐれると効果は持続しやすくなる。筋膜のリリースを習慣にし、しつこいこりやむくみ知らずのヘルシーボディを目指そう。
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