高い抗酸化力があり、体のサビともいわれる活性酸素を除去する、甲殻類や魚類の有用成分「アスタキサンチン」。
アスタキサンチンとは、1938年、ノーベル化学賞を受賞したオーストリアの生化学者、リヒャルト・クーンらによってロブスターから発見された。アスタキサンチンの「アスタ」はロブスターの属名Astacusにちなんで命名された。アスタキサンチンは鮭や表皮の赤い魚、えび、かになどの魚介類に含まれる赤色の天然色素であり、その作用はβ-カロテンの約40倍、ビタミンEの 1,000 倍の抗酸化作用をもち、疲労回復、メタボ症状の予防&改善、美肌づくりに効果があるといわれている。美容や健康商品によく使われているが、実はスポーツをする人にも有効である。アスタキサンチンを摂取すると運動中に糖質の消費を抑えて脂肪をよく燃焼させるほか、疲れの原因となる骨格筋の酸化を抑える働きがあることが分かっている。
アスタキサンチンの効果
アスタキサンチンは、運動によって誘発される末梢性疲労(肉体的疲労)と、中枢性疲労(精神的疲労)の両方を軽減することが明らかになっている。筋肉を動かすエネルギー源は糖質と脂質だが、アスタキサンチンを摂取することにより身体の脂肪が優先的にエネルギーに変えられ、糖質の使用量が抑えられて筋疲労の低減や疲労物質である乳酸の抑制につながっていると考えられている。また、運動中に活性酸素を除去する働きがあるため、筋肉痛などの原因である筋損傷を軽減することも知られている。さらに、アスタキサンチンによる脳グリコーゲン利用の抑制は、脳疲労による疲労感を軽減する効果もあるとされている。これらのことから運動パフォーマンスを向上する効果や、アスリートのウェイトコントロールやダイエットにも有用性が期待されてる。
紫外線を浴びることによって顔にシミやシワが多く現るが、ウェイクサーファーは日差しを遮ることができず、照り返しのある川や湖に長時間入ることが多いので紫外線の影響を多く受ける。紫外線が原因となって引き起こされるシミやしわは「光老化」と呼ぶ。皮膚のハリや弾力をつかさどるコラーゲンなどの成分が障害を受けると、シワの原因となってしまう。このシワの発生は、抗酸化剤や抗炎症剤によって予防できることが明らかになっている。更に、アスタキサンチンにはメラノサイトが活性化するのを抑制し、メラニン色素の産生を抑える効果があるので、シミが作られるのを防ぐことにもつながる。
これらの効果を得るためには、1日に12mgのアスタキサンチンを摂取することが望ましいとされている。アスタキサンチンを含む食品は食品から摂取することは非常に難しいとされているため、アスタキサンチンが配合されているサプリメントを摂取することで効率よくその効果を実感することができる。健康維持に、疲労回復、運動パフォーマンスの向上、あるいは美容に、さまざまな効果が期待されるアスタキサンチン。毎日の食生活に取り入れて、そのパワーを頂こう。
<参考・参照サイト>
わかさの秘密