日本にはまだ知られざるとっておきの秘境湖が存在する。
先進国日本にも「秘境」と呼ばれる、時間が止まったような場所がある。欧米やアジア各国からの観光客でも賑わう、超人気スポットは秘境とは呼べない。秘境とよばれる場所は交通の便がよいとはいえない。目的地に到着するまで、非常に長い時間を費やすことがあるだろう。こうした不便な場所にあるからこそ、わざわざ足を運ぶ価値のある感動を与えてくれる。感動の風景をぜひ探しに出かけてもらいたい。
白水湖/岐阜県
世界遺産でもある白川郷の近くに「白水湖」というエメラルドグリーンの湖が存在する。山道を進んだ先にある、岐阜県民でさえあまり知らない秘境の地。大白川ダム建設でできた人造湖だが、周辺の山から温泉の硫黄成分が流れ出たため、神秘的な青色の湖面になっている。日本のレイクルイーズと呼ばれる白水湖は、例年10月初旬頃から周囲の木々が色付きはじめ、10月下旬頃には美しい紅葉が楽しめる。
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奥大井湖/静岡県
南アルプスの山麓・静岡県の川根本町にある「奥大井レインボーブリッジ」をご存知だろうか?紅葉に彩られた山々の中に、静かに水をたたえるダム湖と赤い鉄橋はまるでスイスの登山鉄道を彷彿させる。ダム湖にぽつんと佇む大井川鐵道の「奥大井湖上駅」への鉄道橋から見える湖面は深い青。さらに日時によって色調を変え、フォトジェニックな風景を演出し、見る者を惹きつける。赤い観光トロッコ列車で行くのが王道だが、実は対岸にある駅の駐車場に車を停め、歩いて渡ることも可能。
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御釜/宮城県
宮城県と山形県にまたがる蔵王連山のまっただ中、標高の高いエリアにある湖。御釜(オカマ)は、その中で宮城県側にある蔵王五色岳にあるカルデラ湖である。「カルデラ」とは噴火口に水が溜まって湖となったもので、様々な鉱物が溶け込んでおり、季節、時間、天候、気温などの条件により湖面の色が深いブルーやエメラルドグリーンやるり色などに変化することから、「五色沼」とも呼ばれている。荒々しい火口と神秘的な丸い湖のコントラストが見事。
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豊似湖/北海道
空からでなければ眺めることができないハートの湖。豊似湖(とよにこ)は北海道幌泉郡えりも町字目黒地内にある日高山脈襟裳国定公園内で唯一の自然湖だ。 原生林に囲まれた湖面は、上空から見るとハートの形に見えることから「ハートレイク」とも愛称されている。。 周囲1キロメートル、水深は最深部18メートル、森の中の静寂な湖。周辺には、氷河期の生き残りといわれる「エゾナキウサギ」の生息が確認されている。
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龍泉洞/ 岩手県
日本三大鍾乳洞のひとつ、ドラゴンブルーと呼ばれる世界有数の透明度を誇る地底湖を有する岩手県の「龍泉洞」は、洞内に棲むコウモリとともに国の天然記念物に指定されている。洞内には数カ所の深い地底湖があり、中でも第三地底湖は水深98m、第四地底湖(非公開)は120mで、世界でも有数の透明度を誇る。また「恋人の聖地」に認定されており、スピリチュアルなパワースポットとしても注目を集めている。
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